甘味処

「ねぇ...叶愛。それ以外本当に何もなかった?」



ピク




「ぇ?...何もって?」



なんかいきなり真剣な顔だし...



「叶愛は昔から隠したいことがあったら顔必死になるの。さっきから聞いてると、遊園地まではいいけど、そこから後半の話しの流れ叶愛言ってることつまってたし。」



っ!



たしかにあたしは、お母さんには星桜と会ったこと、いじめのこと、遊園地での細かい出来事、宙からの告白のこと、全部話さなかった。


いじめは特に...心配かけたくなかったんだ...。




「お母さんやっぱ疲れてるんじゃない?あたし、なにも隠してないし。」


苦笑いで答える。
さすがに自分でもこの笑い方はおかしいと思ったけど…。



「疲れてない。叶愛...お母さんそんなに信用できない?」



違う。


違うのお母さん。


あたし...


怖いの。



この話をしたら、
あいつ...あたしの兄の事を思い出すんじゃないかって。



星桜と同じ…



裏表性格の違うあいつを―――――。




「私、あまり叶愛としゃべる事できなかったから…叶愛の役に立ちたいの。それに...あなたの気持ちを大事にしたいとも思ってる。」