「し、おん...」


星桜を見て動けなくなった。
女の子なんか嫌いで、ナンパなんかもちろんいやがってた星桜が...


星桜とまた目があった。
あの教室の時以来―――
あの時も、あたし、すぐに目をそらしちゃったんだよね。

まともに星桜の顔見てなかったから久しぶりに直視した。

今度は目をそらせなかった。



ううん



そらしたくなかったの。





星桜は驚いた様子だったけど、あたしに声をかけずに女の子と行ってしまった。




「叶愛…行こう。」



「・・・」



「叶愛…。」



ガシッ



「っ!宙???」



あたしは抱きかかえられていた。遊園地の時みたいに...。



「ちょっ!宙ってば!どうしたの!!?」



だけど、またあたしの声を聞いてなくて...



「うっさい。少し黙ってて。」



「・・・・っ」



宙はあたしをお姫様抱っこしながら、山を登った。


でもあたしは、さっきの星桜の事で、頭がいっぱいだったんだ。


なんでだろう。
あんなにあたしにひどいこと言ったのに。
もうあいつなんてしらないって思ってたのに。






あたし今、すっごくショックうけてる。







どうして?