「…好きだよ……葵」
「ひゃっ…」



俺は力強く抱きしめる。



もう離したりしない。



「あれ…取り消して。やっぱり俺は別れるなんて無理だから。」
「るぃ……」
「もう絶対離さねぇから。」
「琉依…?」
「葵は俺のもん……だろ?」
「…うん!」



葵が寂しがってるとか



俺のこと嫌いかもしれないとか



そんなこと関係ない。



俺が葵の傍にいたい



それだけで一緒にいる理由は十分だと思う。





葵が他の男に抱きしめられてたら



俺がその何百倍も抱きしめればいい。



葵が誰かに取られたら



俺が取り返せばいい。




なんでこんな簡単なことに気付かなかったんだろう……



「葵…今までごめん。」
「何回も電話したんだよ?」
「知ってる」
「メールもした。」
「ん。」
「愁に僕にすればって言われた時も…」
「ちゃんと断ったんだろ?」
「自意識過剰。」
「でもその通り。……違うか?」
「ちゃんとお断りしました。」



やっぱりそうだ。



葵は俺が思ってるよりずっと強い。



それに



今日の俺……少しは自惚れてもいいよな?



「俺のこと好きだろ?」
「なっ…」
「俺は好きだよ。」



焦った顔して照れてる葵。



もう一度俺は強く抱きしめた。