「…さん、お客さん…!」
「ん…」
「もう閉店過ぎてるわよ。」
どうやら、あの後に酔っ払って寝てしまったみたいだ…
頭がガンガンする。
これが世に言う二日酔いって奴か…
やっぱり気分の良いものではない。
「…すいません。」
「別に私はいいのよ。でも、貴方の彼女さんが待ってるんじゃないかと思って。」
「え…?」
「女の勘よ。さっきから携帯が鳴りっぱなしだったから、てっきりそうかと思ったんだけど。…違うかしら?」
言われた通りに携帯を開くと、着信が5件も入っていた。
そして、メールが一件。
……全て、葵からだった。
「あら…掛け直さなくていいの?」
「いいんですよ、別に。」
「そう…」
店のママは黙ったまま、マグカップに入った飲み物を差し出してきた。
温かそうな茶色。
でも、俺はこんなのを頼んだ覚えはない。
「サービスよ。お酒じゃないけどね。」
「ありがとうございます…」
「いいのよ。未成年がお酒を呑みたくなる気持ちが分からない訳じゃないから。」
そう言って無邪気に笑った。
どうやら、未成年なのはばれていたらしい…
「…甘…」
「当たり前じゃない。それココアよ?」
「ココア…」
そう言えば、葵もココアが好きだったな…
甘いのが大好きで
俺が買って行くと、美味しそうに食べてたっけ…
一口、口に含むと甘いはずのココアが少ししょっぱかった。

