琉依said──
「…OK.」
アメリカに来て一ヶ月が経った。
葵の様子が気になるものの、新しい環境になかなか慣れられない。
やっと慣れてきた今日。
今週の週末には俺にとって、大事なイベントがある。
“Happybirthday”
葵がこの世に生まれてきてくれた記念日。
俺と葵が付き合い始めて、初の誕生日。
離れていて、普段逢えないからこそ葵にとっても、俺にとっても、一生忘れられないような誕生日にしたかった。
そんな想いがこんな事態を引き起こすなんて思わなかった。
* * *
ゴオォォ──
俺は土曜日の朝一の飛行機で日本へと向かった。
俺の計画は
・葵に週末に帰ると電話する
・その後、直前になって行けなくなったと嘘をつく
・葵がちょっと落ち込んでいる時に、サプライズとして現れる
どう?
完璧だろ。
…のはずが、電話に出た葵の反応は予想外のものだった。
帰れなくなったと電話で話すと、一呼吸おいてから葵のか細い声が聞こえた。

