イケメン倶楽部




そう言って電話を切った。



これ以上話したら泣いてしまいそうだったから…



ぐっと涙をこらえた。



あたしが我儘を言ったって琉依が困るだけ。



いつまでも子供のままでいたくない。




「…はぁ……」



あたしは間違ってるのかな?



素直に“嫌だよ。逢いたい”って言えば、良かったの?



そうすればこんなに惨めな気持ちになることもなかったの?





「…葵…?どうしたの…?」
「……愁…」



涙で霞んでよく見えない。



「さっき酷いこと言っちゃったから、謝りに来たんだけど……何かあったの…?」
「あたし……琉依に逢いたくて…なのに来れないって……あたし…」



涙が頬をつたる。



愁の温もりに体が包まれた。



「泣いていいよ。」
「ふぇ…」



愁の優しい声に、涙腺が緩んだ。



今まで感じてきた不安や、想いが一気に流れでた。



「そんなに辛そうな葵……見たくないよ。」



「先輩なんかやめて…僕にすれば?」



「僕なら葵をそんな気持ちにしたり、泣かせたりしないよ。」



「ねぇ、僕にしない?」
「…やだ。」
「あ、やっぱり?」



確かに愁の言う通りかもしれない。



辛いことだって



悲しいことだって



沢山ある。



でも、それと同じくらい幸せだって感じることも沢山あった。



だから琉依を待っていられる。



「あぁ〜…ちょっとは期待してたんだけどな。……でもさ、僕が好きなのは琉依先輩を必死に追い掛けてる葵だから。」
「カァ…///」
「ははっ。でも、先輩に飽きたらいつでも来ていいよ。」
「飽きないもん…!!」



そんな様子を見てるなんて



知らなかった。