「愁君を雑誌のモデルにならないって誘ってたんだけど…女の仔モデルとカップル役で写るから、彼女がいない仔っていうのが前提なの。」
はぁ…
そういうことですか…
ってえぇ…!!
納得出来るかぁ!
第一、あたしは彼女じゃないっつうの!!!
「じゃあ葵ちゃん。またね。」
「えっ…ちょっ…!」
声をかけた頃にはもう奏恵さんは、他のスタッフさんを連れて、どこかへと行ってしまっていた。
遠くに奏恵さんの黒いすらっとしたスーツの影が見える。
「行っちゃった…」
完璧に誤解したままだよね…
なんかものすごーく面倒なことになりそうな気が……
「別に僕はいいけど…葵と僕が付き合ってるって噂がたったら嬉しいもん。」
さらっと笑顔でそういうこと言わないでよね…
背筋がゾクッとする
「…さぁ、帰ろー」
でも、次の瞬間には愁は話を変えて、帰り道の方向へと足を向けていた。
本当よく分かんない奴…
「そういえば、琉依帰ってくるんだって。」
帰り道の途中、あたしは呟いた。
どんな反応をするのかちょっと楽しみにしてたのに、愁はこっちをチラッと見て“へぇ…”と言っただけ。
本当意味分かんない。

