「ハァハァ…」
愁の今にも泣きそうな声を聞いてから、ぴったり15分。
なんて偉いんだあたしって……
自分で誉めてあげたいくらい。
「愁…!大丈夫?!」
「葵ぃ…」
泣きそうじゃなくて、既に半泣きな愁がこちらへと走り寄って来た。
……のは良いんだけど…
愁の周りを囲んでた女の人
誰かに似てるような…
似てないような…
……誰だっけ?
「「……あっ…!!!」」
「葵ちゃん!」
「奏恵さん…!」
懐かしい…
奏恵さん。
あたしのお母さんの知り合いで、何とかって言う雑誌の編集長をやってる、カリスマウーマン。
編集長をやっているのがもったいないくらいの美人さんで、
優しい旦那さんがいる。
「お久しぶりです!」
「本当久しぶり」
確か前に会ったのが中学生の時だから、もう一年以上会ってないことになる。
でもそんなことより、何で奏恵さんがこんなところにいるの…?
「もう!彼女がいるなら、早く言ってくれれば良かったのに!」
「へ…?か、彼女…?!」
なんか誤解されてるような…
大体、誰が彼女だって?!
「彼女がいる仔は誘う気ないから安心して。」
そう言って、奏恵さんはウインクをした。
ってか、何が安心なわけ?

