「はぁ…」
楽しくない
面白くない
つまんない!!
「何回ため息つけば気がすむのよ。」
声のした方に顔をあげると、不機嫌そうな紗菜の顔がドアップで見えた。
でもそんなこと言ったって…
自然とため息が零れる。
琉依が旅立ってから、1ヶ月。
最初の頃は毎日メールもしたし、
電話だって一時間おきぐらいに、琉依に「しつこい。」って呆れられるくらいした。
でも…
1ヶ月も経つとそんなこともしてられなくなる。
『今から授業だよ』
とか
『あたしはこれからお昼ご飯!琉依は何食べるの?』
なんて聞いたって、返信はほぼ確実に返ってこない。
かといって、それ以外の話題なんかない。
いや、ないことはないんだけど…
あのことを言ったら、きっと雷が落ちてくるに決まってる。
琉依は新しい環境になって大変なのは分かるけど…
それでも
ちょっと時間が空いた時に『逢いたいな』って一言が聞けたら…
『俺も寂しいよ。』
そう言ってくれないと、不安になる。
こんなのあたしのわがままだって分かってる。
でも、今までいた距離が近すぎて
離れてしまった距離が遠すぎて
とてつもなく寂しく感じる。

