愁の顔がどこか疲れているような気がしつつも、笑顔で手を振り返した。
「ねぇ、先輩。」
「ん?」
「愁…最近変なことありませんでしたか?」
「変なことなぁ……」
“別に普通じゃねぇの?”
そう先輩は言った。
先輩は愁とは学年が2年も違うから、そんなに期待してた訳じゃなかったけど…
やっぱり愁の様子がおかしいと思う。
「アイツは大丈夫。それは葵が一番良くわかってんだろ?」
「そ、だね…」
愁なら大丈夫。
それに何かあったなら、あたしに相談してくれるはずだし。
大丈夫。
「後30分くらいあるんだけど、俺は準備とかあるし…一人で大丈夫か?」
「はい。」
「じゃ、行ってくる。…迷子になんなよ?」
“なりませんよ!”
そう笑って言うと、先輩は安心したようにクラスへと戻って行った。

