「あ、あたしもう行くね…!!」
腕時計なんかしてないのに、腕を見てそんなことを言い出した。
どうやらいち早く逃げ出したいよう…
気付いた時には紗菜の姿は星のように小さくなっていた。
そんな紗菜とあたしの間で、舞由華がうろうろしている。
「え、えっと…私も行くね?」
「あ、うん。」
舞由華も紗菜を追いかけて走って行った。
何の為に来たんだか…
「…じゃ、続きする?」
「しません…!!」
「冗談だよ。冗談。そろそろ俺の出番だけど、来る?」
来る?って…
来て欲しかったから呼んだんでしょ?
照れくさそうに外方を向いた先輩を見ていると、
可愛く思えてきて、思わず微笑んでしまう。
「行きますよ。その代わり、特別サービス付けてくださいね?」
「生意気だな。」
そう言いながらも、嬉しそうに“わかった”と言ってくれた。
いつもなら先に歩いてしまうけど、今日だけは自分から腕を組んだ。

