「おっと…あぶねぇ……」
やっと先輩が離れた
第一声がこれ。
ずっとつぶっていた目を開けると、目の前には先輩ではなく
息を切らして立っている、黒い髪の女の仔。
「紗菜…?!」
「あたしの葵に何すんのよ!!!」
あのー…
あたしの話は無視ですか…?
しかも“あたしの葵に何すんのよ!!!”って…
いつからあたしは紗菜のものになったんですか…?
なんで紗菜がこんなところにいるわけ…?
頭の上に?がたくさん浮かんでくる。
「葵も拒否しなさいよ!」
拒否しなさいよって言われても…
えっと…
一応先輩は彼氏なわけだし…
でも、すごい剣幕で怒っている紗菜にそんなことを言える勇気はない。
あたしが口籠もっていると、後ろから声が聞こえた。

