「そんな歩くのもままならない体で自分の身の回りのこと出来んの?」
た、確かに
出来ないけど…
それとこれとは別っていうか……
ほ、ほら!
料理とかなら他の人を呼んでも出来るし!
「自分の彼女が怪我してるのに、放っておいて自分だけ楽な思いしろって?」
そうは言ってないけど…
つか、これが普通だと思うんですけど…
「俺、このまま帰ったら寝れないかもなぁ……心配で心配で食事も喉に通らないかも…あぁ、どうしよう…」
「わ、わかりましたから…!」
顔あげて、そのわざとらしい芝居をやめてください…
近所の人が見てますから…
「じゃあ、入るから鍵。」
あ、えっと…
鍵…鍵……
ん…?
額を汗が垂れた。
「……ないです。」
「ないって…鍵が?」
あたしは頭を縦に振った。
だってよく考えれば、あの時は焦って鍵なんか持ってなかったし
たぶんその後に帰ってきたお母さんが鍵閉めちゃってるだろうし
「どうします…先輩?」

