葵said──
「葵、話がある。」
あたしが車にひかれて
(まぁ、あくまでも覚えてる限りの曖昧な記憶を繋ぎあわせた結果だけど…)
今は病室の中。
話って…
先輩はやけに真剣な顔をしている。
「俺が大学に入ったら、っていうか、葵が20才になったらなんだけど…」
あたしが20才になったら…?
なんかあったっけ?
先輩は深呼吸すると、
「…俺と結婚してください。」
「…ッ……!」
結婚…?
あたし…
「あら、おじゃまだったかしら?」
「お、お母さん…!」
さっきまでの雰囲気は、お母さんの陽気な声によって台無し。
っていうか、あたしのこと心配してなかった訳?!
「えっ…」
ふと、お母さんの瞳から涙がこぼれた。
お母さん…?
「本当…心配したんだから……」
お母さんの温もりがあたしの体を包む。
元々小さなお母さんの体がますます小さく見えた。
お母さんや皆に心配させていたと思うと、胸が痛む。

