「仲良い友達だよ。」
なぜか、“彼氏”とは言えなかった。
本能がそれを止めたのかもしれない。
なぜだか、言っちゃいけない。
そんな気がした。
「学校は他のとこ行くの?」
「う〜ん…聖君に“こっちの学校来なよ”って言われてるから、駅前の高校に行こっかなって。」
その瞬間、舞由華の顔が曇った。
いつもとは別人のように、あたしを睨んでいる。
「ど…どうしたの?」
「ズルいよ葵。」
あたしが
ズルい…?
「私の気持ち知ってて、からかってんの?」
「そんなわけない…!」
「じゃあ何?私だって……私だって…聖君が好きだったのに、葵はいっつも私の目の前で聖君の話ばかりして……私がどんな気持ちで聞いてたか知ってるの?」
舞由華が
聖君を好き…?
初めて知った事実に、目の前が霞む。

