トントン──
「誰です、か……葵君…?」
「お久しぶりです。」
「話は聞きましたよ。色々大変でしたね…」
ノックをして、扉の向こうから出てきたのは玉城先輩だった。
いつもより、笑顔が柔らかい気がする。
「持ちますよ。」
そう言って、先輩はあたしの両手に抱えている荷物を持った。
きっと重いだろうに、先輩は何ともなさそうに軽々と持っている。
「琉依でしょう…?」
ドキッ…
“琉依”という名前を聞いただけなのに、こんなにも胸が高鳴る。
こんなにも、会いたいと思ってしまう。
あの少し低めの甘い声が聞きたい。
そんな気持ちが頭の中を駆け巡った。

