わざわざ、あたしを選ぶ必要がない。
そう考えていると、胸の奥の方が苦しくなってくる。
あたし…
気付かないうちに、こんなにも先輩のこと…
好きになってたんだ…
ちょっと意地悪なところも
たまに見せる優しさも
料理が得意なところも
実はすっごくヤキモチ妬きなところも
少し女の仔にだらしない部分も
全部…
全部含めて好きになってたんだ。
「…葵。俺なら、そのまま葵が思ってること全部、そのまま伝えてほしい。…先輩も同じだと思うけどな……?」
あたしが思ってること全部……?
それを全部伝えるのには、すごく勇気がいる。
伝えたら、先輩に嫌われちゃうんじゃないか…
重すぎるんじゃないか…
考え始めるときりがない。

