「これ。」
真治が制服の胸ポケットから出したのは、二つ折りにされた白い封筒だった。
あたしはそれを受け取って開いた。
やっぱり…
あたしの想像通りに表には、機械的な文字で“白鳥 葵様”と書かれていた。
「葵がこれと同じ封筒を見てから、様子がおかしくなったから…見ちゃったけど……これって…」
「違うから。」
「えっ…?」
違う。
あたしがこの学園を辞めるのは、別にこの手紙のせいなんかじゃない。
いずれ辞めなくちゃいけない日が来たはず。
それが今だっただけのこと。
「でも、この手紙…」
「確かに、この手紙がきっかけになった。…でも、辞めるって決めたのは、あたしの意志だから。」
この手紙のせいじゃない。
こんな手紙に…
負けたなんて思われたくない。

