「葵。お前は今、好きな奴がいんのか?」
好きな人…
爽に言われて頭の中に浮かんだのは、
琉依先輩の顔だった。
「…い、いないよ…!」
「琉依先輩か。ほな、俺も負けてられへんわ。」
「えっ…?!」
「まだ皆、来ないみたいやし…葵と距離縮めるチャンスやん。」
そ、それはどうかと…
ってか!
あたしは戻らないから!
戻る資格なんて……ない
「葵が戻んないんやったら、俺が強制的に……」
「強制的に…?」
「連れて帰るまでや。」
結局、一緒じゃん…!!
戻りたくても…
戻れないんだもん……
「葵…?!」
なんでだろう…?
爽の声が段々遠退いていく気がする。
視界も霞んできたし…
最後に聞こえたのは、必死であたしの名前を呼ぶ爽の声だった。

