「俺が罰ゲームで鞄持ちすることになっちゃってさぁ〜…アハハ(笑)」
「え?ゲームなんてやって…」
言おうとした瞬間、先輩の少し冷たい手が口を塞いだ。
先輩の口が耳元で動く。
「…黙っとけ。葵ちゃん。」
葵ちゃん…?!
なんか気持ち悪い……
「なんだ先輩負けたんですか〜(笑)」
そんなことをつゆ知らず、愁達は笑っている。
「ちょっと先輩…!自分の荷物ぐらい自分で持ちますから!」
先輩からバッグを取り上げようと、ジャンプする。
何しろ先輩の身長はあたしよりも20以上も高い。
先輩は手を上げているから、ジャンプしても届かない。
「いいからいいから。こういうのは男の役目なの。」
ドキッ…
先輩のその余裕そうな笑みに、不覚にも胸が鳴った。

