「ん?」
ふいに、女の仔があたしの服の袖を引っ張る。
「疲れちゃった…」
そっか…
もう捜し始めて一時間くらい経つし…
あたしでさえ疲れてきてるのに、こんな小さな仔が平気なはずがない。
「お兄ちゃんが背負って……」
“背負ってあげようか?”
そう言い掛けてやめた。
だって、この仔のお母さんが見つかるまで背負ってあげられる自信がない。
きっと20分程度で限界だと思うし……
「お兄ちゃんがおんぶしてあげるよ。」
口を開いたのは真治。
いつも冷めたような瞳をしている真治だけど……
この時だけはとても優しそうな瞳をしていた。

