7時12分。

11月の終わり。

私は、勇治に会った。
その時、私はインテリ君が電車に乗ってこなくなった理由をきいた。

「琴美、和弘から留学すること聞いてなかったのか?」

―留学

そんなこと、一言もきいてないよ。

「あいつ、イギリスに留学してんだよ。いつ戻ってくるかしらないけど…。」
「そ、そうだったんだぁ…。」

心の奥がひんやりとした。
イギリス留学。
あの時の間は、留学することを隠そうとしたんだね。
いくらインテリ君を探しても、いないのは当然じゃん。
いつも、いつも探してた自分が馬鹿みたいに感じた。

私は、インテリ君のことを考えるのをやめた。
どんなに想っても、君と会えないんだから…。