今日も…誰もいない教室で、
耐え切れずに一人涙を流していた……。


「……グス……ヒクッ……」

もう帰ろう…。
お母さん心配するし…。
これ以上泣いたら
目が赤くなっちゃうし。

その時だった。

「大丈夫か、」

うしろから、声がした。
聞き慣れている、落着いた、声。

   大好きな

  椰神先生の… 

 落ち着いた声…。


「おーい、どうした?
綾瀬、大丈夫か?」

「すいません…。

なんでも…ないです…。」

「なんでもない奴は、
一人で泣いたりしないだろ?」

「……………。」

「何をそんなに悩んでるのか、俺に教えて?」

「実は……」


結局、先生に話してしまった…。
話しても変わらないって
わかってはいたのに。
なぜだか、どうしても
聞いてもらいたかった。

「馬鹿だな、一人で悩む事ないだろ?
俺でよければさ、
明日でも明後日でもいつでも聞いてやる。

お前はな、きっとまわりと比べて甘えずに育ったのかもな…。

(ニヤッ)
…泣きたい時は
俺が抱きしめてやろうか(笑)」