美菜に会える、 この苦しさから逃れられる。 美菜 ちょっとまっててな… すぐにいくよ。 言い聞かせるように唱えながら 一歩一歩昇っていく。 ゆっくり目を閉じて 風を感じる。 このまま 美菜のいる空に溶けてしまいたい。 さいごの一歩を昇ろうとした そのときだった。 フワッ 不意に感じた美菜の匂い。 大好きだった… いや、 大好きな美菜の匂い。 確かに美菜の匂いだ。