キキーッッ


「たくまぁぁぁぁぁ!!」


考えるより先に

あたしの体はとっさの判断で

車の前に飛び出していた。



伸ばした手の先には

母親の叫び声を聞きながらも

迫ってくる車の恐怖で動けない男の子。



あたしの手が大きな車体が当たる

ギリギリの所で

突き飛ばした。




その男の子が

歩道に倒れるか倒れないかのうちに

あたしの体は中にまった。