だけど、そう簡単には行かなくて……。


『じゃあ好きになってくれるまで離れないー』

俺の体は、こいつに支配された。




べたべたと至るところに手を絡ませる。
生ぬるい吐息が耳元にかかる。


……マジでキモイから。




「日向!!」

楓は大声で俺の名前を呼び教室にズカズカと入ってきた。



楓の顔は、悲しそうな、怒ってるような。

今まで見せたことのないような表情をしていた。