「いいの。返事はいらないから……いらないから、これからも一緒に本読もうね」 返事はいらないって、一方的に言ってそれでおしまい? 俺にも言わせて。 ずっと、ずっと言いたかったキミへの思いを。 「俺も好き。読書してる横顔も時々見せる涙も。全部、俺の宝物だ」 今まで好きという感情がわからなかった。 恋なんて興味なかった。 でも、彼女のおかげで、千帆ちゃんのおかげで好きという感情を知った。