「あ、あの!」 ヒラヒラさせていた手は涼子ちゃんによって阻止された。 「ん?」 「……名前」 「名前?」 「あなたの名前、教えてくれませんか?」 顔を赤らめて少し涙目になりながら聞いてくる涼子ちゃん。 ……上目づかい……やめてくれる? 僕の鼓動、早くなっていくから。 涼子ちゃんにドキドキしてしまう自分がいるから。