「滝沢くん、日向と言い争うのはやめて!」 くるみは怒鳴った。 今まで見せたことのない怒った顔で。 「……あぁ、だるい」 その“だるい”は俺に向けてなのか、くるみに向けてなのか。 「もういいや。くるみちゃんならすぐに落とせると思ったんだけどな~」 ドカッ 鈍い音が、静かな体育館裏に響く。