「そんなにアイツがいい?」 男はそれに反論している。 「アイツって……日向のことアイツ呼ばわりしないで!」 今度は声を荒げて言うくるみ。 なんでくるみは必死になってるんだよ。 「アイツはくるみちゃんのこと、なんとも思ってないと思うけど?」 俺が……くるみを……なんとも思ってないだと? なにも知らねぇ男になにがわかるっていうんだよ。 俺はこれ以上、黙っていられなくなり足を進めたその時、くるみの言葉で立ち止まってしまった。