ポキっと指を鳴らし女の子に近づく。 『ご、ごめんなさい!許して……くださいっ』 謝ってる。 まだ、なにもしてないのに。 「謝るぐらいならさ……、最初っからしないことだね」 僕は女の子の後ろにあった壁に拳を入れた。 見事に壁には、へこみが。 周りは、“うわっ”とか“すげー”とか驚いている。 無理ないか。 いつもの僕じゃないもんね。 でも、これでわかったと思う。 お姫様を悲しませたり泣かせたら僕がこうなるってことを。