スカッ…


「何っ!?」

デュラハーンの鎧がバラバラに散開し、ゼタンのパンチを避けた!

「何だ、コイツ!?
鎧の中身はスッカラカンだ!」

デュラハーンが鎧を[着ていた]のでは無く、デュラハーンが[鎧そのもの]だったのだ!


空中を漂うように浮遊する、デュラハーンのバラバラになった[身体]。

『驚いたか?
私の鎧の中身が無いことに。
これが[マキーナ]の力だ!」


ズゴオォォ…

鎧のパーツはゼタンの周りをグルグルと、竜巻を起こすかのように回転し始めた。

「オサ!
コイツはマズイぞ!
どこから攻撃してくるか分からない!」

雷堂の言う通り、あらゆる方向からパーツが飛んでくる!


ドガッ!

ガギッ!

バコッ!


その攻撃から身を守るゼタン。
掌が身体と同じくらいの大きさだから、防御しやすいという利点があるのだが、いずれにせよ防戦一方では埒があかない。

「ゼタンには、アイロンやソロバンみたいな武器は無いのか?
何か打開策が無ければ…」

長船が思った時、


「おい、オサ!
これ…見ろよ!!」