慌てて頭を戻すガイコツ。

『セーラ!
距離を置くと、また頭を飛ばして来るぞ!

俺のカムドにチェンジして、接近戦に持ち込もう!』

確かに雷堂の提案が良策かも知れないが、星羅には考えがあった。

(ビェルもサイバリック・アームを持っているハズ!)

その心を読んだように、また[あの声]が星羅の中に響いた。


『サイバリック・ブレイカー』


「ブレイカー…ね!

よし、ライ!
もっと距離を離すわよ!
ビェルのサイバリック・アームを使うわ!」

『ビェルにもサイバリック・アームがあるのか…

ぃよし、ブースト出力最大で離脱するぜ』


グヲォオオオオ!!


あっという間に、ガイコツが見えなくなる程までに遠ざかるビェル。

「よし、いくわよ!
サイバリック・ブレイカー!」


………


『何だ?
何も起こらないぞ?

チョッパーのように天気も変わらな…
おい、あの音!!」


キィィィィイイイイン!!


ビェルの右方向の彼方から、恐ろしく凄まじい勢いで空を裂く音を発しながら[何か]が飛んでくる!


『矢…か?』

「違うわ。
あれは…
もしかして、キュー!?」

ビリヤードのキューだ!

そんなコトを話している内に、そのキューはビェルの目の前を掠めて飛び去ろうかという位置まで来ていた。

目前を通過する寸前!


ズバシュイッ!!


ビェルは右掌を素早く突き出し、キューを握って受け止めた!