「何とかしてよ、ビェル!」


シュィイイイイン!


「え!?」

星羅の願いが通じたのか、ビェルの手には武器らしいモノが握られていた。

しかし…

『おい、これって…
どう見ても[ソロバン]…だよな?』

雷堂の言う通り、それは大きなソロバンにしか見えなかった。

『デカいソロバンだな。
何桁あるんだ?』

幅はそれほどでも無いが、長さが尋常ではない。

ビェルの身長より長いのだ!

しかも通常なら4珠の部分が5珠ある、商人用の仕様だ。


しかし、よく見るとソロバンと違う点がある。

珠が回転ノコギリ!

オマケに枠組みがグニャグニャと蛇のように動く。

「やっぱ、これって武器…?」


ギュイイイイイン!!


全ての珠が、一斉に回転し始めた!

「これでも食らいなさい!」


ビュウィイイイ!!


動けないビェルに代わり、ソロバン型の凶器がガイコツに襲い掛かった!


ビャリビャリビャリ!!


ソロバンが、ガイコツの骨の何本かを砕いた!

たまらずビェルから身体を引き離すガイコツ。


「カルシウム不足なのよ!」

ビェルがガイコツから距離をとり、再び構えた。