『サイバリオー・カムド』


「サイバリオー…
カムド…?」

雷堂は薄れそうな意識の中で、思わず[あの声]を復唱していた。


乙が曲線を帯びた上半身左側、丙が鈍角の多い上半身右側にそれぞれ変形、甲は主に鋭角で構成された腰から下の下半身に変形した!


「人型になるのか!?」

視界がパッと開けたと思った時、雷堂は人型の頭部にあたる部分にコックピットが移動していたことに初めて気付いた。

「ここは…頭か?
合体が完了したのか!?」


シュウン…


「あ、げ、うおおおっ!」

合体した機体が、そのまま自由落下を始めたのだ。

無理も無い。

全ての噴射口は塞がれてしまったのだから。

仮にそれが生きていたとしてもメチャメチャな方向を向いているから、いずれにせよ自由落下は防げないが。

「なんとかしろよ!
なんとかっ!!」


『…うるさいわね!!
男がやかましくギャーギャー騒ぐんじゃ無いわよ!!

…こっちは死ぬかと思ったんだからね!!」

星羅だ。


相変わらず強気の発言だったが、言葉の最後の方は半泣きのようだった。

(コイツ、半泣きなんて意外と可愛いな…)