「骨の中身はブラックホールってことかよ。
こんな奴、どうやって倒せば良いんだ?」
巨大な節足を一斉に振り上げて威圧するアンリマット。
気圧されてか、フーライボウは一瞬後退りをする。
(離れれば骨の応酬、近付けばブラックホール。
万策尽きたか…)
半ば諦めた表情の弟に対し、兄は逆境を愉悦するような笑みを浮かべた。
「吽行よ、さっきのサイバリオーとの戦いで何を学んだ?
戦いに勝つのは、勝利への執念を強く持つ奴だ!
打開策は、ある!!」
阿行がフーライボウを飛び退かせるのとアンリマットが節足のラッシュを突き出すのは同時に見えたが、ほんの一瞬だけフーライボウが速かった!
ザク!
ザク!
ザク!
地面に打ち込まれる無数の節足を尻目に、フーライボウはムーンサルトよろしく宙を舞う。
着地するのは…
アンリマットの背中!
『馬鹿め、同じ過ちを晒すか。
今度こそ混沌の死海に沈むが良いわ!』
背の大口が開き始め、漆黒の底無し沼がフーライボウの足元を招く!
『堕ちよ!』


