「回避だ、吽行!」


ドス!
ドス!
ドス!

アンリマットから骨の節足が伸びて地に打ち付けられ、フーライボウを取り囲む!

呪われた骨の格子!

「囲まれた!?
兄者、逃げられない!」

『潰れよ!』


ドスゥウウウ!


フーライボウの居た場所は、無惨にもアンリマットの巨体によって一瞬にして更地と化した…

土煙が洞窟内に蔓延する。


『………?』

アンリマットは思った。
仕留めたにしては…

『あまりにも脆すぎる』


ヒュオッ!

刹那、疾風が…


ギジンッ!

刹那、紫電が…

同時にアンリマットの両脇をすり抜けて行く!

『うぬっ!?
こ、こやつら…』

「俺達は風と雷…
嵐の権化、風雷暴さ!
捕らえることなど誰にもできんよ、魔王アンリマット!
お前のようなノロマならば尚更にだ!」

声はアンリマットの背後から轟き、愚鈍な魔王が振り向くより早く荒れ狂う嵐の化身が姿を現す!