◇ ◆ ◇ 隆くんは教室のドアをあけた。 机とイスが置かれていて、 ロッカーがあって、 黒板があって。 中学校と何も変わらないのに、 好きな人の教室ってだけで ドキドキする。 「優香たぶん、 この辺で大声だしたんだよ」 隆くんがドアの近くで 笑っていた。 「!! そんなのもう忘れてよっ」 隆くんに近寄ろうとして、 わずかな段差につまづく。 「うあっ」 コケる―――っ!!