「とにかく俺、
ヒマ人じゃねーから。
今すぐ帰れよ。
は?寂しい?
知るか、セフレんとこでも行っとけば」
うっとうしそうに電話をきる。
それから、あたしの視線に気付いて
にこっと笑った。
「ごめん。いきなり電話はいって」
「ぃぇ・・・」
弥生・・・。
さっきから、その人の名前ばっか
頭の中にこだましてる。
弥生サンって、ほんとに
カノジョじゃないの?
聞きたいのに、聞けない。
「あ。
髪の毛に何かついてる」
優しい指が、
あたしの髪についていたゴミを
取ってくれた。
「うゎ、すげー。
優香チャン、髪めっちゃサラサラ」
サラサラと肩までの髪を
もてあそばれた。
ドキドキが止まらなくて、
あたしは身動きできない。
てか、あたしの髪、
ただのひよこっ毛ですけど・・・?
「う、あっ!!」
あわてて飛びのく。
へ?とキョトンとした表情で
あたしを見ている。
「こんなことして・・・っ、
カノジョ怒っちゃいますよ!?」

