彼に恋しちゃったのかぁ・・・

 これがヒトメボレってやつなのかなぁ・・・


 この1週間、そんなことばかり考えて過ごしていた。


  だから、こんなことになったのかもしれない。


   ◆   ◇   ◆   


 その日は、ちょっと遅刻しそうで急いでいた。

 猛スピードで坂道を下り、キュッとカーブを曲がった瞬間。



  ふわり。


 体が浮いて、ドキッとして体中に風を感じた。

 ・・・次の瞬間。


 あたしの体は地面にたたきつけられていた。


 体中に痛みがはしる。

 ゆっくりと目を開けると、

 キレイな花が咲き誇った花壇があって、タオルや服が頭上で風になびいていて。

 ・・・どこだ、ココ??? もしかして、天国?

 ていうか、あたしはどうなったんだ?

 ぼーっとした頭で必死に考える。

 遅刻しそうで急いでて、カーブを曲がったら、体が浮いて。

 ・・・それから・・・どうなったんだっけ。

 
 ・・・・・それより、体が痛いよぉ。

  「うぅぅ・・・誰か・・・助け、て」