「しっかり笠はかぶったかい?」









お涼は静かに頷いた。








あれっきり雪洞は一言も話さず・・・








優雅に散っていく桜を見続けた。








満月も雲にかげり、雪洞の表情を伺うことも出来ず・・・








今に至った。









「も、申し訳ございませんでした。」








お涼は、深々と頭を下げた。









「もう来ちゃ・・・だめでありんす。」










「アンタは、ここに来るべき人間ではない。」