気配を消すよう努めて、静かに大門をくぐったお涼は、言葉を失った。










なんという賑わい。









静まりかえる江戸の夜とは比べものにならぬほど・・・








そこは明るく、活気に満ちていた。








こわごわと足を進めていくが、自分でも足が震えるのが分かる。









格子越しに、歩く男どもを品定めするように見る遊女達。









厚い化粧をし、髪の毛にはいくつもの簪を挿し、派手な衣を纏う。








煙管をふかす、その姿にお涼は呆然としてしまった。










「ここが・・・吉原。」