「とにかく、表に出ることはほとんどありません。」










「でも。明晩は、満月・・・もしかしたら。」









そう呟くと、









「雪洞は、『美楼閣』という遊女屋にいるでしょう。黒塗りの立派な建物ですから、分かると思います。」









「あとは・・・お好きになさい。」









そう言って、立ち上がった。








「お、叔母上様。」








「なんですか?」









お涼は言いにくそうであったが、はっきりと言った。