俺は、親友に恋してる。

 アイツは誰にでも愛想が良くて。
 いつでもニコニコヘラヘラ笑ってる。

 内に秘めた何かがあってそうしてるんじゃなくて、天然でそうなんだから、タチが悪い。

 どうして俺は、そんなヤツが好きなんだろう。

『――以上で、今日の「お昼の放送」はおしまいでーす。火曜日の担当は、2年3組、周藤成都[ストウナツ]でした』

 毎週火曜日の昼休み。
 決まった時間にアイツ――成都の声が校内放送で流れてくる。

 男の癖に美人で可愛くて、声が凄く綺麗だ。

 放送部の看板って呼ばれるくらい、活躍してる。
 その上、もの凄くモテる。
 火曜日の放送後は、放送室前で成都を出待ちしてるヤツらが居るほどに。

 ファンレターだかラブレターだか分からない手紙。
 買ったものから手作りのものまで、様々なプレゼント。

 誰か一人に定めて、さっさと彼女でも作ってしまえばいいのに、成都はそうしない。