「だーかーらー!違うッつってんじゃん!!」
ジローがツッコミを入れるがしかし、
「言い訳なんか聞きたくないわ!わたしと親父さんが一生懸命頼み込んでやっと入れてもらえた高校を結局停学になっちゃって、それに、こんな人の道に外れた事までしでかすなんて・・・親父さんが知ったらどんなに悲しむことか・・・」
「だから、違うって・・・」
突っ走るナンちゃんをもう誰も止められない。


「もういいわ! あんたの顔なんか見たくない」


ナンちゃんは、そのガッシリした体で女の子をひょいっと抱き上げた。
「お嬢さん、恐かったでしょう。あんなの放って行きましょうね」


そしてナンちゃんは、あっけにとられたままで立ちすくむジローを置き去りにして牛小屋を後にし、家へと向かった。
「あの・・・」


「何かしら?お嬢さん」


「ジローくん、怒られるようなこと何もしてないよ」
ナンちゃんは、女の子の顔を見た。

「あの子をかばうことはないわよ」
「あのね、そうじゃないの。みるくが裸なのは最初からなの。みるくは、今朝人間になったばかりだから・・・」
ナンちゃんは聞こえにくかったらしい。