「樹里~!!楓ちゃん来たわよ!!」


「はぁい!!」


私の名前は柊 樹里<ひいらぎ じゅり>。近くの公立中学校に通っている中学3年生。


夏休みが終わって今日から新学期って言うのに寝坊しちゃった。


支度を終えてから私は急いで1階に下りた。


母から渡された食パンを口に突っ込んで靴を履き外に出た。


「おはよう。樹里。」


「おはよう!!」


彼女は宮美 楓<みやび かえで>。私の幼なじみそして大親友。


「そろそろ高校決めないとね。樹里は決めた?」


どこか遠くを見ながら楓は言った。


「私はまだ。楓は?」


「私はとりあえず私立。」


「いいなぁ~。私立。ウチはお金が無いから都立一本。」


彼女の家はちょっとしたお金持ち。母親は有名美人アナウンサー、父親は大手企業の取締役員。