「……え?」

振り向くと帽子を目深に被った男の子が階段下に立っていた。
心なしか睨まれてる気がする…

「え?じゃねえだろ」

「…なんですか」

「…それ、持ってくのか」

指差されたのは私が持っていた箱。
男の子はすごく真剣な顔をしている。

「…これ?」

「それ」

「……わんこ?」

「ああ」

「…飼うよ」

そう呟くと男の子は俯いた。
俯いたまま小さく「…1匹」と呟く。
よく聞こえなくて首を傾げると、今度はさっきより大きな声で言ってくれた。

「…1匹もらってもいいか」

「なんで…?」

「オレも連れて行こうと思ってて…でもお前が飼うっていうから、1匹ずつ…」

しどろもどろになりながら言う男の子は優しそうで、私は思わず笑ってしまった。