家まであと10分くらいの川原で、小さな声が聞こえた気がした。

別に気にすることでもなかったのかもしれないけど、なんだかそれが助けを求めているかのようで、放っておけない。

「…どこだろ…」

小さな声は動物の鳴き声のようだった。
まだ頼りないくらい小さな鳴き声。

「……箱…?」

草に隠すようにして置かれている箱の中から聞こえている鳴き声。
捨てられているんだとすぐわかった。

そっと箱を覗き込むと、中では2匹の仔犬が互いを暖めあうように寄り添っている。

小さな鳴き声は、互いを励ましあっている声だったのだろう。