そのままグラウンドに背を向けて歩きだす。

今日で最後にしよう。
いつまでもこんな風に彼を探したって、もう辞めてるんだからいるはずない。

もうすぐ、3年生になる。
そうしたらすぐに受験勉強の毎日だ。

どうせなら野球の強豪校であるS高に行きたいって思ってたけど、ランク下げようかな。

彼が行くかもしれない、なんてバカらしい考えはもう捨てなきゃ。

どこまで彼の野球が好きだったんだろ。
こんなに誰かを想ったのは初めてだ。
でもきっと彼より上手い人だっているし。

「私、ばかだなぁ…」

初めて抱く感情についていけない。
この感情がなんなのかもわからない。

私には、蓋をすることしか、できなかった。