こんな風に冗談を言い合える異性はいなかったから、やっぱりこれは恋とは違う感情なんだ。
男の子の友達なんて小学校のときぶりだから、だからぎこちなく感じるだけで、普通ならこれが普通なんだ。

恋にならなくて良かった。
コータくんのこと好きにならなければ、きっと周りの目を気にしないで、ずっとずっと一緒にいられる。

「ねぇ、クロ?」

わん!と私の問いかけに答えるように吠えたクロを抱きしめ、こちらを見るシロをおいでおいでと呼ぶ。
シロは小走りで近づき、そのまま飛びついてきて私はクロを抱きしめたままバランスを崩してしまった。

「わぁ!もうっシロってば!」

顔を舐められるとくすぐったいけど、でも大きく振られている尻尾を見るとそれだけで愛しく思える。

「こーら」

頭上から優しい声色が聞こえた。
瞬間シロはコータくんの腕の中にいた。